今回は点滴の滴下数の求め方について解説します。
看護師国家試験の計算問題で頻出の問題と言えば点滴の滴下数を求める計算問題です。
苦手な人が多いですが、計算式を暗記してしまえば確実に得点できます。
不安な人は何度も練習問題を解いて、計算式を頭に入れてしまいましょう。
点滴の滴下数の計算・例題1
では具体的に問題を解いてみましょう。
<例題>
流量120ml/時間で点滴を注入するように指示を受けた。
微量用輸液セット(60滴=1ml)では何滴/分で点滴をすればよいか?
点滴の滴下数の解き方
流量とは一定の時間内に流れ出る液体の量のことです。
例題では点滴の速度が1時間当たり120mlですので、分単位に直すと60分当たり120mlとなります。
では1分単位だと流量はどれくらいになるでしょうか?
120mlを60で割ると1分当たりの流量になりますね。したがって 120÷60=2となりますので、1分当たりの流量は2mlとなります。
それでは60滴=1mlの輸液セットを使った時、何滴で2mlになるでしょうか。
暗算できそうですが、ここではきちんと比例式で解いてみます。
60滴:1ml=X滴:2ml
X=120滴
ここで問題を見返すと、答えが120滴で流量は120mlになっています。
単位は「滴」と「ml」で違いますが数値は同じ120です。
これは単なる偶然でしょうか?
結論から先に言うと、微量用輸液セット(60滴=1ml)の場合は、「1時間当たりの流量の値=1分当たりの滴下数の値」となります。
どうしてそうなるかというと、1時間当たりの流量を1分当たりの流量にするために60で割っています。その上で滴下数を出すために60を掛けています。
数式で洗わすと・・・
滴下数=1時間当たりの流量÷60分×60滴
したがって、「滴下数=1時間当たりの流量の値」となります。
点滴の滴下数の計算・例題2
もう1つ問題を解いてみましょう。
<例題>
流量120ml/時間で点滴を注入するように指示を受けた。
一般用輸液セット(20滴=1ml)では何滴/分で点滴をすればよいか?
点滴の滴下数の解き方・例題2
点滴の速度は例題1と変わらないので、1分当たりの流量は2mlになります。
20滴=1mlの輸液セットを使用した時の滴下数を計算します。
先ほどの例題1と同じで比例式で解いてみましょう。
1ml:20滴=2ml:X滴
X=40滴
例題1の時のように「滴下数=1時間当たりの流量の値」となるような簡単な解き方はないでしょうか。
これも簡単に解き方を覚える方法があります。
一般用輸液セットの滴下数は微量用輸液セットの3分の1です。
だから、例題1の時のように「滴下数=1時間当たりの流量の値」で出した値を3で割れば答えを出すことが出来ます。
例題2に当てはめてみると・・・
滴下数=120÷3=40滴
これなら簡単に点滴の滴下数を求めることが出来そうですね。
まとめ
点滴の滴下数は以下の計算式で簡単に解けます。
・微量用輸液セット(60滴=1ml)
滴下数=1時間当たりの流量
・一般用輸液セット(20滴=1ml)
滴下数=1時間当たりの流量÷3
国家試験計算問題
第102回 午後18問
点滴静脈内注射1,800mL/日を行う。
一般用輸液セット(20滴≒1mL)を使用した場合、1分間の滴下数はどれか。
1. 19滴
2. 25滴
3. 50滴
4. 75滴
計算問題解答
輸液量が1,800mL/日であるので、1,800mL÷24時間=75mLが1時間当たりの輸液量となる。
さらに1分当たりの輸液量は75mL÷60分=1.25mLで求められ、20滴≒1mLの輸液セットでは1.25×20=25滴となる。