今回は新生児の体重減少率について解説します。
計算式だけではなく、言葉の意味も覚えましょう。
新生児の体重減少率ってなに?
生まれたばかりの赤ちゃんは、おっぱいやミルクを上手に飲むことが出来ないことなどから、生後数日の間に体重が減少していきます。これを「生理的体重減少」と言います。
ミルク育児、母乳育児の関わらず、一般的に生後2~5日までに10%未満の生理的体重減少が起こります。そして通常は生後7日頃には出生時の体重に戻ります。
体重が10%以上減ってしまったり、生理的体重減少が起こってから5日以上経っても体重が増加しない場合は、おっぱいやミルクの摂取量が足りなかったり何らかの疾病の可能性があります。
新生児の体重減少には注意を払わなければなりません。
体重減少率の計算
では具体的に問題を解いてみましょう。
<例題>
第107回 午後90問
出生体重3,200gの新生児。日齢3の体重は3,100gである。
このときの体重減少率を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第2位を四捨五入すること。
体重減少率の解き方
体重の減少率を求める場合、基準になる体重は出生時の体重になります。
「出生時の体重から今の時点の体重を比較して体重はどのように変化しているか」というように考えましょう。
出生時の体重が3,200gで日齢3の体重が3,100gなので、体重の減少量は・・・
3,200g-3,100g=100g
出生時よりも100g減少しています。
では減少率はどのように計算するでしょうか。
基準になるのは出生時の体重です。出生時の体重に対してどの程度減少したかを計算します。
100g÷3,200g=0.03125
小数第2位を四捨五入するから・・・答えは0・・・ではないですよね。
問題は、減少「率」を求めるのでしたね。
「率」を求める場合は、パーセントを計算しなければなりません。
したがって・・・
100g÷3,200g×100=3.125%
小数第2位を四捨五入するから・・・答えは3.1%になります。
まとめ
新生児の体重減少率は以下の公式で解くことが出来ます。
新生児の体重減少率=((出生時体重-現在の体重))÷出生時体重×100
しかし公式を丸暗記しようとして、間違って覚えてしまうと大変です。
単に丸暗記するのではなく、解き方で説明したように、どうしてこの公式になるのかを理解するようにして下さい。
計算問題
出生体重3,000gの新生児。日齢4の体重は2,825gである。
このときの体重減少率を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第2位を四捨五入すること。
解答
新生児の体重減少率=((出生時体重-現在の体重))÷出生時体重×100
=(3000g-2825g)÷3000g×100
=5.833333・・・・
≒5.8
答え:5.8%