看護実習の乗り越えかた③

2回にわたって指導者さんとのコミュニケーションについて考えてきました。
今回は、担当する患者さんとのコミュニケーションを考えてみたいと思います。

初対面でいきなり担当するわけですので、とても緊張すると思います。
でも担当する患者さんは、看護学生が看護に参加することについて事前に同意されている方ばかりです。
また学校や病院によって方針は若干異なるかもしれませんが、大抵の場合は重篤な患者さんや非常に難しい症例の方を担当することはありません。
そしてコミュニケーションを取りやすい患者さんを選んでくれるので、それほど恐れることはありません。
準備として、事前に担当する患者さんのカルテをよく読んで、患者さんのキャラクターや病気について把握しておくようにしましょう。

ちょっと古いデータですが、看護学生が実施した看護技術について患者さんがどのように感じ、どのようなレベルを期待しているかについての研究報告が岡山大学から出されています。

<研究報告>

「患者による受け持ち学生のコミュニケーション技術および観察技術に対する評価と期待-成人看護学実習における慢性期患者を対象として-」
J Nurs Invest Vol.3,No.1:40-48,December,2004

https://www.tokushima-u.ac.jp/fs/1/9/0/4/9/8/_/Vol_3-1-6.pdf

この研究報告を見ると「挨拶」や「訴えを聞く」、「訴えを理解する」といった内容で患者さんの評価が高いことが分かります。
これらは日常の人間関係の中でも必要な項目であり、普段の生活の延長線上で対応できる事柄という事だと思われます。
そして忙しい看護師さんとは異なり1人の患者さんを受け持って、じっくりと関わることが出来るということから、評価が高くなると思われます。
これに対して「症状の観察」、「血圧測定」、「体温測定」、「ケアの説明」などについては評価は低く出ています。
これらの項目はスキルや信頼関係の醸成が必要な為と思われます。

患者さんは看護学生には専門的な知識がないことを理解しています。
看護学生の実習に協力しようという気持ちのある方々ばかりです。
当たり前ですが何のスキルもありませんので、前回も触れましたが、素直に一生懸命さを前面に出してコミュニケーションを取れば好印象を与えられます。
明るく元気よくコミュニケーションを取ってみましょう。
きっとあなたの気持ちにこたえてくれるはずです。

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