酸素ボンベの残量は一般的に圧力で表します。これは気体の量と圧力は比例関係にある性質を利用しています。圧力は気体がボンベの内壁を押す力です。
したがって、気体が少なくなれば、圧力も弱まります。例えば、酸素の残量が半分になれば、圧力も半分になります。
この性質を利用して酸素ボンベの残量計算をしてみましょう。
ちなみに圧力の単位は、MPa(メガパスカル)です。聞き慣れない単位かもしれませんが、覚えておきましょう。
酸素ボンベの残量の計算
では具体的に問題を解いてみましょう。
<例題>
500Ⅼの酸素ボンベ(14.7MPa充填)の残圧が6MPaのとき、酸素残量は何Lになるか。
※ただし小数点以下の数値が得られた場合には、小数第1位を四捨五入すること。
酸素ボンベの残量の解き方
計算に入る前に覚えてもらいたいことがあります。
「未使用の酸素ボンベは、通常14.7MPaの圧力で酸素が充填されている。」
このことを覚えておきましょう。
そして残量と圧力の関係は比例関係であるという事を覚えておけば、問題を解くには比例式が使えることが分かると思います。
未使用の酸素ボンベの量は500Lですので・・・
500L:14.7MPa=X L:6MPa
14.7X=3000
X=3000÷14.7=204.08
小数第1位を四捨五入ですので・・・
正解は204Lになります。
練習問題
ではこちらの問題を解いてみて下さい。
問題
3L/分で酸素療法中の入院患者が、500L酸素ボンベ(14.7MPaで充塡)を用いて移動した。
現在の酸素ボンベの圧力計は5MPaを示している。
酸素ボンベの残量をを求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数第1位を四捨五入すること。
解答
比例式を使って解いてみましょう。
未使用の酸素ボンベは500Lで14.7MPaでしたね。
それが使用されて5Mpaになっているのですから、
500L:14.7Mpa=XL:5Mpa
X=500L×5Mpa÷14.7Mpa
=170.06・・・
=170L
正解は「170L」となります。