前回、前々回と解剖生理学の勉強方法について書いてきました。
ただ実際にテキストを手にすると、重要な科目であることは分かるものの、どうしても苦手意識になってしまう人も多いと思います。
そういう人のために、私がやってきた勉強法をお伝えします。
先ずは前々回にお話したように、最初に動画などで理解をしてからテキストを見るようにしていました。
やはり動画などで理解した上でテキストを読んだ方が理解が早いと思います。
これは動画だけでなく、分かりやすい参考書でも良いと思います。
皆さんが理解しやすい方法で勉強してみて下さい。
そもそも解剖生理学が分かりずらいのは、その成り立ちにあるように思います。
実は解剖生理学という学問はありません。
医学部の学生は、解剖学と生理学を学びます。
元々は別の学問です。
なぜそれを一緒にしたのかは分かりませんが、多分、解剖学と生理学は覚えることが多いので、看護師として最低限知っていて欲しい部分を抜粋して、一緒にした方が理解が深まると思ったのではないかと思います。
でもそもそも別の学問なので、こんがらがるのではと思います。
解剖学は身体の構造を学ぶもので、生理学は身体の生命維持の仕組みを学ぶものです。
2つは別な学問ですので、「解剖」と「生理」で分けて勉強するのが良いと思います。
そして「生理」を先に勉強して、「解剖」を後から勉強するのが良いと思います。
最初に生理学の勉強を主に行って、各臓器や器官の役割などを理解した上で解剖学を勉強した方が、「どうしてここに血管が走っているのだろう」という事を理解しやすいと思います。
解剖学は、例えて言えば地理のようなものだと思います。
筋肉や骨格は平野や山脈で、血管や神経は鉄道や高速道路です。
それを意味もなく暗記するのはとても大変です。
生理学は、歴史や政治経済です。
臓器や器官の役割は、地域の産業や歴史に通じると思います。
地域の実情や歴史を学んだうえで、鉄道や高速道路の配置を見るとその意味が理解できて覚えやすいと思います。
人間の身体というものは不思議です。
解剖学的には、全て意味のある配置になっています。
その意味を生理学で理解した上で解剖学を学ぶと、より理解が進むと思います。
解剖生理学を学ぶときは、「これは解剖学なのか?それとも生理学なのか?」と切り分けて理解するようにしてみて下さい。
少し苦手意識が減るのではと思います。