看護師国家試験の合格率の今後の見通しについて

看護師国家試験の合格率は今後どのようになるのしょうか。
ちょっと予測してみます。
結論から申し上げますと、今後も合格率は90%程度で推移すると思われます。
つまり試験の難易度がそれほど変わらないようであれば、ボーダーラインも大きく変動することはないと考えます。

そのように予測する理由を説明する前に、同じ医療系の試験である医師国家試験と歯科医師国家試験の合格率の推移を見てみましょう。
最初は医師国家試験の合格率の推移です。

【出典】厚生労働省
【出典】厚生労働省

これを見てもわかるように、医師国家試験の合格率は例年90%程度と安定しています。
次に歯科医師国家試験の合格率の推移を見てみましょう。

【出典】厚生労働省
【出典】厚生労働省

歯科医師国家試験の合格率は、70%程度から65%程度に大きく落ち込んでいます。
実はその前には医師国家試験の合格率と同様に合格率が90%程度に時代がありました。
なぜこのようなことが起こっているのでしょうか。

その理由として歯科医師が過剰という問題があげられます。
歯科医師は医師と異なり勤務医になるケースが非常に少なく、大半の人が開業します。
その結果、今やコンビニの数よりも歯科医院の数の方が多くなりました。
また衛生観念の向上などから虫歯の数も減っており、歯科を受診する件数も減っています。
そのため歯科医院の経営は厳しいと言われています。

入学定員を減らすことは、大学経営上困難ですので、歯科医師国家試験の合格率を下げることで歯科医師の数の増加を抑制していると言われています。
つまり医療は公共的な色彩の強い職業のため、その養成については国の意向が強く反映されるということです。

では看護師はどうでしょうか。
看護系の大学や専門学校は増加傾向にあります。
大学や専門学校を設立するためには文部科学省の認可が必要です。
国として看護師の養成が必要と考えているから認可をしていると言えます。
実際、高齢化社会の進展や今回のコロナウイルスの状況を考えると看護師の需要は当面増えることはあっても減ることはないと思われます。
したがって看護師国家試験の合格率を下げて合格者数を抑制するということは考えられません。

逆に合格率を上げる可能性はないでしょうか。
これに関しても可能性は低いのではと思います。
理由は最低限度の知識も持たない看護師を粗製乱造することは、かえって医療現場を混乱させる可能性があるためです。

以上の理由から当面の間は合格率は90%程度を維持するものと思われます。
焦らずに毎日こつこつ勉強しましょう。

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