濃度に関する計算では様々な薬品が登場しますが、計算の仕方は全て同じです。
知らない薬品名を見て慌てないようにしましょう。
濃度の計算
では具体的に問題を解いてみましょう。
<例題>
5%のグルコン酸クロルヘキシジン液に水を加えて、0.1%の消毒液を500ml作りたい。
必要な薬液量、水量はそれぞれ何mlか。
濃度の解き方
まず5%のグルコン酸クロルヘキシジン液には、何gのグルコン酸クロルヘキシジンが含まれているでしょうか?
これは摂取エネルギーの計算の時にも出ましたね。
5%のグルコン酸クロルヘキシジン液というのは、100mlの中に5gのグルコン酸クロルヘキシジンが入っているということです。
同様に0.1%の消毒液には、100mlに0.1gのグルコン酸クロルヘキシジンが入っているということになります。
では0.1%の消毒液500mlにはどれくらい含まれているでしょうか。
これも比例式が使って解くことが出来ます。
100ml:0.1g=500ml:Xg ですので、 X=0.5g です。
つまり作ろうとしている0.1%の消毒液500mlには0.5gのグルコン酸クロルヘキシジンが入っているということになります。
100mlの中に5g含まれている液ですので、0.5gだと何mlになるでしょうか。
これも比例式で解くことが出来ます。
5g:100ml=0.5g:Xml なので、X=10ml
これが0.1%消毒薬500mlに含まれるグルコン酸クロルヘキシジン液の量になります。
あとは水の量を求めればよいですが、これは消毒液の総量である500mlからグルコン酸クロルヘキシジン液の量を引けば求めることが出来ます。
したがって、
500ml-10ml=490ml となります。
よって正解は、薬液量は10ml、水量は490ml になります。
おわりに
問題のような必要薬液量を求める公式があります。
必要薬液量=作りたい量(ml)×作りたい濃度(%)÷薬液の元々の濃度(%)
問題の値を入れてみると・・・
=500ml×0.1÷5=100×0.1=10ml
このように公式を覚えておくと簡単に計算することが出来ます。
ただ公式は忘れてしまうと解くことが出来ません。
数学が苦手ない人は、無理に公式を覚えるよりも比例式を使って解くことを覚えた方が良いと思います。
これまで学んだ問題は全て比例式で解くことが出来ます。
比例式の考えを覚えておけば国家試験の計算問題も怖くありません。
何度も練習問題を比例式で解いてみて下さい。
必ず計算問題が得点減から得点源になるはずです。
国家試験計算問題
では実際の国家試験問題を解いてみましょう。
第104回 午後90問
5%のクロルヘキシジングルコン酸塩を用いて0.2%希釈液2,000mLをつくるのに必要な薬液量を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。
計算問題解答
さっそく公式に当てはめて解いてみましょう。
必要薬液量=作りたい量(ml)×作りたい濃度(%)÷薬液の元々の濃度(%)
=0.2(%)÷5(%)×2,000ml
=80ml
したがって正解は「80ml」になります。