『欠格事由』・・・合格しても看護師免許がもらえない?!

『欠格事由』とは何か?

看護師国家試験に合格すれば、看護師免許がもらえてナースになれますが、なかには合格しても免許を受け取れないことがあることを知っていますか。
このように免許を受けることができない理由を「欠格事由」と言います。

ここで問題です。
以下の交通違反・事故を起こした時に、欠格事由に該当する可能性があるのはどれでしょうか?

1.時速20kmオーバーの交通違反(青切符)
2.自動車で他人の家の壁に衝突(物損事故)
3.人をはねて怪我をさせてしまった(人身事故)

欠格事由については、保健師助産師看護師法の第9条に記載されています。

保健師助産師看護師法 第九条  

次の各号のいずれかに該当する者には、前二条の規定による免許(以下「免許」という。)を与えないことがある。

一  罰金以上の刑に処せられた者

二  前号に該当する者を除くほか、保健師、助産師、看護師又は准看護師の業務に関し犯罪又は不正の行為があつた者

三  心身の障害により保健師、助産師、看護師又は准看護師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの

四  麻薬、大麻又はあへんの中毒者

非常に簡単に言えば、裁判となって前科が付いた場合は、欠格事由に該当すると考えて良いと思います。
以上を踏まえて、先程の問題を考えてみましょう。

まず1ですが、交通違反をすると現金を納めますよね。あれは罰金だから欠格事由に該当すると考える人もいると思いますが、あれは罰金ではなくて反則金というものです。反則金を納めることで刑事罰を受けなくても良い・・・前科はつかない・・・という制度ですので、これは欠格事由には該当しません。

では2はどうでしょうか。自損事故、物損事故でけが人がいない場合には、交通事故でも前科はつきません(飲酒運転などの重大過失がある場合を除く)。
したがってこちらも欠格事由には該当しません。

最後に3はどうでしょうか。人身事故は原則、刑事処分が科せられるため欠格事由に該当します。

『欠格事由』に該当する場合はどうすれば良いか。

欠格事由があっても看護師国家試験の受験することはできます。
過去に欠格事由に該当するような事故を起こしても看護師になれた人はたくさんいます。
諦めずに、まずは気持ちを切り替えて国家試験を受験し合格を目指しましょう。

国家試験に合格し免許の申請を行う際に欠格事由を申告しましょう。
申告があってから、事故に関する事実確認や聴取、審議などが行われて、最終的に免許を交付するか判断が下されます。

どんなに頑張っても過去は消せません。
今自分にできること、過去を深く反省し、国家試験に合格する事を第一に考えましょう。
人事を尽くして天命を待つです。

ただこのような欠格事由に該当しないことが一番ですので、この時期、自動車、バイク、自転車などで通学する場合はくれぐれも気をつけるようにしましょう。

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