前回、感染症類型についてお話しましたが、そもそもどんな類型があるか解説しておいた方が良いですね。
以下、簡単ですがまとめてみます。
感染症法による感染症分類
類型の特徴と共に、どのような対応を取るか覚えるようにして下さい。
類型 | 特徴 | 主な対応・措置 |
一類感染症 | 感染力、重篤性など総合的な危険性がきわめて高い感染症 | ・原則入院 ・消毒などの対物措置 |
二類感染症 | 感染力、重篤性など総合的な危険性が高い感染症 | ・状況に応じて入院 ・消毒などの対物措置 |
三類感染症 | 感染力、重篤性など総合的な危険性は高くないが、 特定の職業への就業によって感染症の集団発生を起こしうる | ・特定職種への就業制限 ・消毒などの対物措置 |
四類感染症 | 動物、飲食物などの物件を介して人に感染し、 国民の健康に影響を与えるおそれがある感染症(人から人への感染はない) | ・媒介動物の輸入規制 ・施設の消毒 |
五類感染症 | 国が感染症発生動向調査を行い、その結果などに基づいて必要な情報を 一般国民や医療関係者に提供・公開していくことによって、発生・拡大を防止すべき感染症 | ・感染症発生状況の収集・ 分析とその結果の公開・提供 |
主な感染症の例
類型ごとの主な感染症には以下のようなものがあります。くらくらするかも知れませんが、アンダーラインの病名を中心に覚えてみましょう。
一類感染症 | エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱 |
二類感染症 | 急性灰白髄炎、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(SARSコロナウイルスに限る)、結核、鳥インフルエンザ (病原体がイ ンフルエンザウイルスA属インフルエンザAウイルスであってその血清亜型がH5N1であるものに限る。) |
三類感染症 | 腸管出血性大腸菌感染症、コレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフス |
四類感染症 | E型肝炎、A型肝炎、黄熱、Q熱、狂犬病、炭疽、鳥インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H5N1)を除く。)、 ボツリヌス症、マラリア、野兎病、ウエストナイル熱、エキノコックス症、オウム病、オムスク出血熱、回帰熱、 キャサヌル森林病、コクシジオイデス症、サル痘、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、腎症候性出血熱、 西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、チクングニア熱、つつが虫病、デング熱、東部ウマ脳炎、ニパウイルス感染症、 日本紅斑熱、日本脳炎、ハンタウイルス肺症候群、Bウイルス病、鼻疽、ブルセラ症、ベネズエラウマ脳炎、 ヘンドラウイルス感染症、発しんチフス、ライム病、リッサウイルス感染症、リフトバレー熱、類鼻疽、 レジオネラ症、レプトスピラ症、ロッキー山紅斑熱 |
五類感染症 | インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)、 ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を 除く。)、クリプトスポリジウム症、後天性免疫不全症候群、 性器クラミジア感染症、梅毒、麻しん、メチシリン耐性黄色ブドウ球 菌感染症、アメーバ赤痢、RSウイルス感染症、 咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、急性出血性結膜炎、 急性脳炎(ウエストナイル脳炎、 西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、東部ウマ脳炎、日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎及びリフトバ レー熱を除く。)、 クラミジア肺炎(オウム病を除く。)、クロイツフェルト・ヤコブ病、劇症型溶血性レンサ球菌感染症、細菌性髄 膜炎、 ジアルジア症、侵襲性インフルエンザ菌感染症、侵襲性髄膜炎菌感染症、侵襲性肺炎球菌感染症、水痘、 性器ヘルペ スウイルス感染症、尖圭コンジローマ、先天性風しん症候群、手足口病、伝染性紅斑、突発性発しん、 破傷風、バンコマイシン 耐性黄色ブドウ球菌感染症、バンコマイシン耐性腸球菌感染症、百日咳、風しん、 ペニシリン耐性肺炎球菌感染症、へルパン ギーナ、マイコプラズマ肺炎、無菌性髄膜炎、 薬剤耐性アシネトバクター感染症、薬剤耐性緑膿菌感染症、流行性角結膜炎、 流行性耳下腺炎、淋菌感染症 |