前回に引き続き看護師国家試験の頻出問題について解説していきます。
そのまえに前回頻出問題の分野として解説しましたが、これは全て「必修」問題でした。
言葉足らずで混乱させてしまったかと思います。
お詫びして訂正いたします。
今回は、「必修」と「一般・状況設定」の問題それぞれについて分析していきたいと思います。
過去10年間(第101回から第110回)に出題された分野を見てみましょう。
それぞれ上位5位と下位5位の分野を紹介します。
頻出問題ランキング「必修問題」編
「必修問題」の上位5位までは以下の通りです。
配点 | |||
順位 | 分野 | 出題割合 | 必修 |
1位 | 基礎看護学 | 26.4% | 13.2 |
2位 | 健康支援と社会保障制度 | 20.7% | 10.4 |
3位 | 基礎医学 | 8.5% | 4.3 |
4位 | 成人看護学総論 | 6.5% | 3.3 |
5位 | 小児看護学 | 3.8% | 1.9 |
続いて「必修問題」の下位5位までは以下の通りです。
配点 | |||
順位 | 分野 | 出題割合 | 必修 |
22位 | 女性生殖器疾患 | 0.5% | 0.3 |
23位 | 免疫・アレルギー疾患・膠原病 | 0.4% | 0.2 |
24位 | 眼疾患 | 0.4% | 0.2 |
25位 | 耳鼻咽喉疾患 | 0.2% | 0.1 |
26位 | 皮膚疾患 | 0.2% | 0.1 |
頻出問題ランキング「一般・状況設定問題」編
「一般・状況設定問題」の上位5位の分野を見てみましょう。
得点 | |||||
順位 | 分野 | 出題割合 | 合計 | 一般 | 状況 |
1位 | 母性看護学 | 8.9% | 22.3 | 7.0 | 15.3 |
2位 | 精神看護学 | 8.7% | 21.7 | 6.4 | 15.3 |
3位 | 基礎看護学 | 8.5% | 21.2 | 15.7 | 5.5 |
4位 | 健康支援と社会保障制度 | 8.0% | 20.1 | 17.0 | 3.1 |
5位 | 成人看護学総論 | 7.1% | 17.9 | 8.4 | 9.5 |
続いて「一般・状況設定問題」の下位5位の分野を見てみましょう。
得点 | |||||
順位 | 分野 | 出題割合 | 合計 | 一般 | 状況 |
22位 | 感染症 | 1.0% | 2.5 | 1.6 | 0.9 |
23位 | 免疫・アレルギー疾患・膠原病 | 0.9% | 2.2 | 2.0 | 0.2 |
24位 | 眼疾患 | 0.7% | 1.9 | 1.5 | 0.4 |
25位 | 皮膚疾患 | 0.4% | 1.0 | 0.5 | 0.5 |
26位 | 歯・口腔疾患 | 0.2% | 0.5 | 0.5 | 0.0 |
まとめ
表は出題割合の他に、配点も出してみました。
これを見てどう思われますか?
配点の方が分かりやすいと思いますが、上位5位までの分野の割合が「必修問題」、「一般・状況設定問題」を問わず大きなウェイトを占めています。
例えば、「必修問題」では上位5位の分野の配点は、50点満点のうち33.1点あります。それに対して下位5位の分野の得点は0.9点しかありません。
必修問題と比べると「一般・状況設定問題」の方がまんべんなく出されている傾向にありますが、、それでも上位5位までの分野の得点は、250点満点のうち103.2点もあります。それに対して下位5位までの分野の得点は、8.1点しかありません。
このように看護師国家試験では出題される分野に大きな偏りがあります。
理由は、看護師国家試験は定員のある競争試験ではなく、一定のレベルに達していれば合格を与える資格試験のためだと思われます。
重箱の隅を楊枝でほじくるような問題ではなく、看護師として最低限知っていてもらいたい分野を中心に出題するためだと思われます。
以上から、学力に自信のない人ほど「捨てて」下さい。
学力に自信のある人は、満点を目指して全ての分野をまんべんなく勉強してみましょう。
でも自信のない人は、頻出分野を中心に勉強するようにしましょう。
それが合格の近道です。